LJ10 純正PTO装備



「PTO標準装備 SJ10 2型 ジムニー完動品」

J'sGarage編集部の大分支部に貴重な情報が入りました。
なんとLJ20以降SJ10までのジムニーに設定されていたPTO付きジムニーを発見したとのこと。
タイミング良く熊本に出張が入った編集長うちやまは、すぐさま取材を申し込み、本部員と共に
大分に乗り込んだのであった。

 PTO(パワーテイクオフ)とはエンジンの出力をタイヤの駆動ではなく、発電機やウインチに
利用するもので、現在でも一部の四輪駆動車に機械式ウインチが装着されています。
 ジムニーの場合、軽自動車の規格を越えることが出来ないため、ウインチは荷台に
装着され後部にワイヤーを伸ばす形となっています。
 軽量なジムニーの場合、他車を引っ張ることはかなり困難で実際には荷物の牽引が
目的だったと思われますが、需要が非常に少なかったようでこの装置を装着した
ジムニーは非常に数が少なく貴重なものとなります。

取材させていただいたSJ10はオーナーの手でレストアが行われており
現在はウインチユニットを取り外していますが、ウインチ自体も
非常に良いコンディションでベルトを装着すればすぐにでも使用可能な状態でした。

荷台ウインチベッド

仮装着されたウインチユニットとローラーゲート。
ボディにはウインチユニット装着用に
穴があけられており簡単に装着可能であった。
 ウインチの動力ははトランスファーから
別に取り出されたプロペラシャフトを経由し
荷台下部のプーリーへ伝わり、
そこからVベルトを介してウインチユニットの
プーリーへと導かれている。
 ベルトを介していることで、ウインチユニットが
不要な時は取り外すことができる。
またVベルトが滑ることで過大な入力から
装置を守ることにも
なっているようである。

 ゲートは単純な構造でローラーがひとつだけ装着されている。

ウインチベッド下部

後部アクスルの前側付近に装着された出力用のプーリー。
このプーリーの上には取り外し可能なハッチがあり、
そこを通って上部のウインチユニットへ動力が伝わるように
なっている。
後部アクスルへのプロペラシャフトとマフラーとで
かなり煩雑な状態になっている。
ウインチ自体はかなりの重量だが動力取出し部は
車体中央にあり、もともと後部の軽いジムニーには
問題なさそうである。
プーリー間での減速は行われていないようだった。

PTOレバー


トランスファーレバーの後部に生えてきている
PTO用のレバー。
フロアトンネル上には通常よりも大きな穴が
開けられており、大きめの皮状のシフトカバーが
装着されている。
PTOのレバーはトランスファーのレバーよりも
長く、操作が楽に行えるように作られているようである。

インパネにはPTOの動作を
確認するランプは見つからなかった。

レバーの位置で判断できるように
長めになっているのであろうか。

荷台ウインチ動力入力部

プーリーの下に脱着式のハッチがある。
2本の鉄製のバー状ベッドは車体に
4本のボルトで固定される。
ウインチ内のギアボックスで減速されて
出力の小さなジムニーのエンジンでも
ある程度の重量物は引けそうである。
ただし車体が軽いのでその際は
ボディの固定は不可欠となるだろう。

尚、ロールバーは純正品ではなく
社外品を装着している。



PTO付きSJ10オーナー桜さん
<はじめに>
貴重なウインチ付きSJ10をレストアした上で
ウインチを取り外してあります。
ごめんなさい。
でもいつでも載せられるようにしてあります。
尚、車の配色は某車屋カラーです。
<SJ10を選んだ訳>
ずっとペーパードライバーで中型バイクに乗っていました。
その上、仕事が環境アセスメントで陸棲動物調査を
していましたので、四駆で山に入るのは当たり前の環境でした。

仕事とバイクをやめ、晴れて車を購入することになったとき
(ちなみに人を乗せる気はなかった)
バイクが恋しかったので軽でオープンの車がいいなと
思い、イメージがぴったりあったのがSJ10だったわけです。

2年半のお付き合いになります。


<SJ10の好きなところ>
なにもついていない必要最小限な装備。
迷うことなくイメージが合致し、一目惚れでした。
その上レストアしたばっかりに愛着があって
苦労しても手放せません。
他の人が乗っていないことや知人が増えることも乗っていて楽しいところです。

<SJ10の苦労するところ>
乗りつづけることに気合が必要なこと。
変わり者扱いされること。
幌をつけると車高が高くなってしまい自分の家の駐車場に入らなくなってしまうこと。
雨の日は幌をつけていても足元が水溜りになってしまうこと。
古い車なので修理個所がちょこちょこ出ること。
暖気に時間がかかるし排気音も大きくて近所迷惑かもしれません。
ばっちり日に焼けてしまうところ。
リクライニングできないところ。
遠乗りがシンドイこと。
コンタクトなので目にゴミが入っちゃうこと。
目立つので変な格好ができないこと(笑)
愛犬さえも喜んで助手席に乗ってくれないこと(爆笑)


<今後>
大分のジムニーのクラブ「ADVANTAGE」に所属しています。
走行会、トライアルの競技会などをしていますので、興味津々です。
現在ウインチを載せようか思案中です。
そうなると車高も上げたくなるけど、できるだけオリジナルの形を
崩したくないので悩みます。
幌の脱着が大変だから骨組みなしで全体を覆う幌欲しいな。