SplitFireスパークプラグ 難易度:5

エンジンの三要素として「良い燃料」「良い火花」「良い圧縮」という言葉があるのだが
その三要素のひとつである火花を発生させるスパークプラグ。
プラチナやイリジウムなど数多くのプラグを試してみたが、シリンダー内の混合気にオイルが
混じっている2ストロークエンジンの場合、これらの電極がか細いものは相性が良くない。
一度エンジンがかかってしまえば大体いいのだが始動時にミスるとかぶらせてしまいやすいし
最悪の場合、エンジンブレーキでかぶってしまって使い物にならない場合がある。

そこでこのスプリットファイアーなのだが、電極は通常のプラグと同じくらいのもので
先がV字に割れているだけ。先述の細い電極と違って装着前から安心感がある。
 さて装着してみてエンジンを回してみると・・・ なんもかわんない。
キャブのリンクを手で動かして吹かしてみるがいつもと変わらない。しかしアクセルを急激にオフ
した直後に全開にしてももたつくような感じはない。
とりあえず無負荷時のイメージは平凡なプラグである。

 乗って回してなんぼのエンジンなのでとりあえずローに放り込んでクラッチを離してみる。
ここでようやく体感できるものがあった。ノッキング寸前のパワーが増している感じがあるのだ。
うちの30はFireStoneの6.50-160を履かせているのだがこれがえらい転がり抵抗の大きな
タイヤでクラッチをつなぐ時に時々サイドブレーキがかかったままのような感じを受けていたのだが
その重そうな感覚がずいぶん抑えられているようだ。
というより明らかにエンスト寸前のパワーは上がっている。ストール寸前でどこどこと前に進もうという
力があるのだ。

 次に実際に乗り出してみる。
出足はやはり好調である エンジンに蹴られて進むような感覚を覚える。
そのまま街中を巡回してみる。これは特別に感じるものなし。
調子に乗って80Km/h巡航モードもテスト。これはLJ50エンジンにはかなりの負荷になる。
はっきり言って高速性能は変化を感じない。

結果としてこのプラグはSJ30にとっては高速性能をアップさせるものでなく、出足などのトルクアップに
利くもののようだ。
つまりパワーを求める人にはあまりお勧めできないが、クロカン用途やストップアンドゴーを重視したい
場合にはかなりお勧めの一品である。
ただ私が試したのはLJ50という非力な2ストロークエンジンなのでF6AやK6Aなどのように
高出力なエンジンで試してみるとまた変わるのかもしれません。

注意点:
3000Km程度で電極の磨耗がかなり露骨に出てきます。5000Kmも走らせるとエッジがほとんど
ないような状態になり性能が明らかに低下します。
ダイヤモンドやすりなどでエッジを出してやるか交換をお勧めします。

通販ページへのリンク:SplitFire(スピリットファイアー)スタンダードタイプ